2016/08/04

『tranquil beauty | Mino to Kanazawa』展開催のおしらせ


このたびスペース大原は、金沢市広坂に新しくオープンするセレクトショップ「TO U」の
プレオープンイベントとして、出張展示を開催することになりました。

金沢は歴史的に工芸の盛んな街であり、その流れは今も途絶えることなく受け継がれ、
北陸新幹線の開通以降ますます注目を集めています。
一方、多治見を含む岐阜県美濃地方は、桃山陶をはじめとして長らくやきものを主たる産業として発展してきた土地であり、
現在に至るまで多くの優れた陶芸作家を輩出しています。
そしてここ数年は、美濃でやきものを学んだ作家が、さらなる経験を積むため金沢に移り住む例も出てきており、
これまでとは違う流れも生まれつつあります。

工芸文化における両者の大きな違いは、金沢では茶の湯文化に代表されるように、
各々の分野内だけで閉じることなく互いに関わりを持ちながら、さらには使う者の視点が常に身近に存在することです。
それに対して美濃に限らず産地は、単一の分野のみに特化している場合が多く、
使い手は別の場所にいることを想定することがほとんどであり、金沢のようなケースは希有であると言えます。
工芸をそれぞれに分けて考えるのではなく、総合的なパッケージとして捉える態度は、
今後海外に向けて日本文化をプレゼンテーションしていく上でも良質な手本になりえますし、
美濃の人間にとっても多くのことを学べるのではないかと考えています。

今回の展示には美濃、金沢、そしてその両方で学んだ若手作家が出展します。
それぞれがそれぞれの経験を背景に、制作に取り組み作品をかたちにしています。
本展覧会が新たなつながりを生み、さらなる広がりをつくり出す契機となれば本望です。

tranquil beauty | Mino to Kanazawa
2016.8.6(土) – 8.16(火)
10:00-18:00 会期中無休
[会場]TO U 石川県金沢市広坂1丁目1−55 田村ビル1階
[出展作家]大森健司(陶), qualia-glassworks(ガラス), 駒井正人(陶), 坂野有美(染)
永草陽平(陶), 西垣聡(ガラス), 松永圭太(陶), 松村淳(陶)

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